コラム

初めてのソロキャン〜消火する想いと燃えるラブレター〜

2022年6月9日(木)
何となく思い立って、初めてソロキャンに行くことにした。以前好きだった人とは、キャンプが共通の趣味ということで仲良くなった。一緒に行こうねなんて話していたのに、結局その約束も叶わないままその恋は幕を閉じた。ねぇ、君は本当にキャンプが好きだったのかい?

6月初旬は、雨の日が多くそろそろ梅雨入りかもな〜なんて思いながら、何とか晴れますようにと願いを込めてキャンプ場の予約を取る。今回予約を取ったのは、自宅から車で30分ほどのところにある「スノーピーク箕面キャンプフィールド」だ。スノーピークが運営しているくらいだから、きっとキャンプ場も綺麗に違いないと思った。実際に行ってみると、とても綺麗で素晴らしいところだった。自然豊かで鹿などの野生動物もいて、夜はウシガエルが延々と鳴いていた。

初めてのソロキャンプ!ソロ用のアウトドアギアを購入

スノーピーク箕面キャンプフィールド

この週は、ずっと雨が降っていたがキャンプ当日は見事に晴れてくれて、自分は晴れ男なんじゃないかとなぜか嬉しい気持ちになる。今までキャンプには何度も行っているが、ソロで行くのは初めてだった。ソロキャンプをするにあたって、コンパクトなギアが欲しいということでいくつか新たに購入したので紹介したい。

今回購入したのは、以下の品々だ。

  • FUTURE FOX / イワタニジュニアコンパクトバーナー専用テーブル
  • イワタニ / ジュニアコンパクトバーナー
  • Morakniv / Companion
  • COLAPZ / 2in1 Water Carrier & Bucket
  • TokyoCamp / 焚き火台セット
  • onegear / pandish(L)・pandish joint
  • EMBER / ソロピラミッドTC

いろいろアウトドアギアを見ていたら、あれもこれもと欲しくなってしまう。この他にも欲しいものはたくさんあったが、とりあえず最低限必要なものだけ買うことにした。一つひとつ紹介していきたい。

FUTURE FOX / イワタニジュニアコンパクトバーナー専用テーブル

FUTURE FOX / イワタニジュニアコンパクトバーナー専用テーブル

まず購入したのが「FUTURE FOX」のイワタニジュニアコンパクトバーナー専用テーブルだ。最初この商品を見たとき、てっきりバーナー付きの商品だと思っていたが、届いて梱包を開けてみると天板しか入っていなかった。購入したサイトをよく見ると「イワタニジュニアコンパクトバーナー専用テーブル」と書いてある。くそ……やられた……。

しかし、商品自体はマットな質感でシンプルなデザインで気に入っている。コンパクトなサイズ感なのでソロキャンプにはもってこいだ。調理しながらテーブル部分で食材を切ったりお皿を置いたりすることもできる。キツネをモチーフにしたワンポイントのロゴも可愛い。

こちらの商品は黒とステンレスの2カラー展開だったが、テントやタープを黒で統一しているのでこちらも黒を購入した。

FUTURE FOX公式サイト:https://futurefox-online.com

イワタニ / ジュニアコンパクトバーナー

イワタニ / ジュニアコンパクトバーナー

先ほどのFUTURE FOXのテーブル、商品が届いてみれば実はテーブルのみの商品というまさかの展開だったので、慌ててイワタニのジュニアコンパクトバーナーも注文した。こちらも実際に商品を手に取ってみると、非常にコンパクトで使い勝手が良い。どんどんソロキャンプ用のギアが揃ってくると、キャンプへの気持ちが高まってくる。

近所のホームセンターでイワタニのカセットガスコンロを購入して、試しに点火してみる。バーナー自体の設置もかんたんで点火もスムーズだ。説明書を見なくても扱えるので、キャンプ初心者にもおすすめしたい。

FUTURE FOXの専用テーブルに設置すると、これがまたかっこいい……。カセットガスコンロはテーブルの下に隠れて見えないし、無骨なソロキャンをしたいけどオシャレさも欲しいという人にはぴったりだろう。

イワタニ公式サイト:https://www.iwatani-i-collect.com

Morakniv / Companion

Morakniv / Companion

ソロキャンをするとなると、やっぱり焚き火は必ずやりたいことの一つだが、そこで必要になってくるのがブッシュクラフトナイフだ。今まで友達が持っているやつを使っていたが、そろそろ自分専用のナイフも欲しい。ということで購入したのがモーラナイフの中でも、比較的安価な値段設定の「Companion」だ。こちらも柄のカラーが黒のものを買った。

今年の春にお花見したときに、公園に落ちていた枝を焚き火用にたくさん拾っていたので、その枝を使って試し切りをしてみる。めちゃくちゃ切りやすい……。スッと切れる分、指もかんたんに切れてしまいそうなので取り扱いには注意だ。

薪を割るとき、ナイフの柄を叩くがステンレス製なので丈夫だから全く問題ない。錆にも強いので、こちらも初心者がブッシュクラフトナイフを購入するならおすすめしたい一品だ。

Morakniv公式サイト:https://morakniv.jp

COLAPZ / 2in1 Water Carrier & Bucket

COLAPZ / 2in1 Water Carrier & Bucket

ソロキャンプに快適性を求めるのも変な話かもしれないが、できるだけ快適なキャンプにしたいならウォータージャグが欲しいと思っていた。実は、好きだった人と梅田でデートをしたとき、居酒屋の予約時間まで時間があったのでリンクスにあるアウトドアショップ「石井スポーツ」に行った。そのときに見つけたのが、このコラプズのウォータージャグだ。

使わないときは、かなりコンパクトに収まるので収納スペースを圧迫しないし、キャンプ帰りも小さく畳むだけでいいから片付けが非常に楽ちん。それでいてかなりの量が入る。キャンプ中は、何かと水があると助かるのでウォータージャグがあるとかなり便利だ。

調理中、手が汚れてしまったときや焚き火の燃え残りを消火したいとき、さらにはコーヒーや料理に使う水としても使うことができる。炊事場まで水を汲みに行かなくても、その場でしかもワンプッシュで水が出てくるってかなり良い……。QOLならぬQOCT(Quality Of Camp Time)が上がるというやつだ。しらんけど。

COLAPZ公式サイト:https://colapz-cutlery.jp

TokyoCamp / 焚き火台セット

TokyoCamp / 焚き火台セット

今までキャンプで焚き火をするときは、友達が持ってきた焚き火台を使っていたので自分の焚き火台というものを持っていなかった。せっかくなので、これを機に購入しようと思いいろいろ焚き火台を探してみる。インターネットでいろいろ探していると、インスタを開いたときにアウトドアギアの広告ばかり出てくる。普段は、広告ってウザったいなぁと思うが欲しいものをちゃんと表示してくれるときは助かる。

いろいろ候補はあったが、最近の焚き火台は結構良い値段がするものが多い……。そんな中でも比較的手頃な値段で評判も良く、コンパクトでソロキャン向きだと感じたのが「TokyoCamp」の焚き火台セットだ。「Tokyo」と付くものは大体オシャレである。

組み立てがかんたんで作りもしっかりしているので問題なく使えるし、フライパンやスキレットを乗せて調理できる専用パーツも付属しているので直火で調理したいときにも使える。小さく分解できてメンテナンスもしやすいので、これから重宝しそうだと思った。

TokyoCamp公式サイト:https://tokyocamp.ooo

onegear / pandish(L)・pandish joint

onegear / pandish(L)・pandish joint

こちらもインスタを見ていたら広告で出てきた商品なのだが、調理器具も欲しいなぁと思っていたので買ってしまった。CVを一つ付けてやったよ。鉄製で無骨な見た目がかっこよく、使用前にシーズニングというものを初めてやった。

ソロキャンプでは、先ほどの焚き火台とこのスキレットを使ってガーリックシュリンプを作ったのだが、これがまた最高に美味い……。そのままお皿としても使えるし、料理が冷めたらまた火にかけることで温め直すことができる。

pandishだけだと持ち手がないので、別売りの「pandish joint」という柄も一緒に購入した。今度は、これででっけぇステーキでも焼いて男飯を楽しみたいところだ。

onegear公式サイト:https://onegear.shop

EMBER / ソロピラミッドTC

EMBER ソロピラミッドTC

残念ながら今回のキャンプには間に合わなそうだったので購入はしていないが、次回までにゲットしておきたいなぁと思っているのが「EMBER」のソロピラミッドTCだ。ソロキャンにぴったりなサイズ感ということに加えて、オールシーズン対応というのが嬉しい。

耐火性・耐水性に優れるのは然ることながら、煙突穴が付いていてストーブを設置できるから寒い冬キャンでも快適に過ごせそうだ。おまけにインナーテントの設営に要する時間が約12分とテント設営を時短できるのも個人的にはGOODポイントだ。

冬とか涼しい時期はまだ良いけど、気温が高い時期にキャンプをするとテント設営だけで汗だくになってしまうのが正直ネガティブなところ。でもサクッとテントを設営できるなら、その分体力も時間も余るから、キャンプ飯とか焚き火とか別のことに時間を使えそう。

EMBER公式サイト:https://motions-shop.jp/

ソロキャン当日!キャンプ女子との出会いを期待して

DODのテントとタープ

なぜ、初めてのソロキャンプにチャレンジしようと思ったのか、まずはその動機から話さねばなりますまい。元々、キャンプ自体は好きでソロキャンプもいずれしてみたいなと思いながら、なかなか行く機会がないままだった。というより一人でいける分、自分の都合でいつでも行けてしまうから、「そのうち行こう」と思いながら流れてしまっていたといったほうが正しい。

そんなとき、キャンプ好きの一人の女性と知り合った。その子は、キャンプグッズを買ったものの一回も使えていないということで一緒に行きたいと言っていた。ある程度仲良くなって一緒にアウトドアグッズのお店に行ったり「いつ行く?」なんて話をしたりしていたけど、結局その恋は実らずに終わってしまった。

行きたい行きたいと言うばかりで行かずに終わった君とのキャンプ。じゃあ、一人で行ってやるよ。というのが今回のソロキャンの不純な動機だ。さらに言えば、彼女には訳あって告白することができずにいたのだが、いつまでも足踏みしているだけじゃ意味ないと思って人生初のラブレターをしたためた。次会うときに渡そうと思っていたが、結局その予定をすっぽかされてLINEの返信も来なくなって終わった。だから、ソロキャンプに行って焚き火をするときに、そのラブレターを燃やして供養してやろうという理由もある。これまた不純な動機である。そして、あわよくばとなりのサイトにソロキャン女子がいて、「食材余りそうなんですけど、良かったら一緒にご飯食べませんか?」的な展開を期待していたのもある。全て不純でしかない。

ほとんど貸し切り状態、高台サイトには自分一人だけ

誰もいないキャンプ場

天気も良くキャンプ日和だったこの日。初めてのソロキャンプということで、無事過ごせるかなという不安と楽しみな気持ちを胸にキャンプ場まで車を走らせる。チェックイン開始の14時頃に向かい、手続きを済ませる。スノーピーク箕面キャンプフィールドには、いくつか区画が用意されているが、この日選んだのは高台にあるサイトだった。見晴らしが良くて、風が吹いて気持ち良いサイトだった。

まだ、高台サイトには誰も来ておらず、一人でせっせとテントやらタープの設営を始める。テントはワンポールテントなので問題なく設営できたが、タープがなかなか大変だった。支えてくれる人がいたらもう少し楽なのだが、何分ソロキャンプだから一人で対処しなければならない。何とか設営することができ、テーブルやチェアなどのレイアウトを決めていく。

コラプズのウォータージャグ

一息つこうと、買ったばかりのウォータージャグから水を出して、買ったばかりのFUTURE FOXとイワタニのジュニアコンパクトバーナーを使って水を沸かす。そしてコーヒーを入れて、のんびり風景を眺めながらぼーっとする。何をするでもなく、ただ何もしないという贅沢な時間。これこそキャンプの大きな魅力の一つではないだろうか。

お風呂上がりにデカビタを飲む影

テント設営で汗をかいてしまったので、近くのスノーピークが運営する施設に行ってお風呂に入ることにした。シャワーを浴びて湯船に浸かり、この日の疲れを癒して再びキャンプ場へと戻る。もうすぐ18時だというのに誰も来ない。まさか、今日は貸し切り状態か……? 案の定、下のサイトに一組いるだけで自分がいる高台サイトには誰も来なかった。いいもん、あわよくばって思っただけだもん。

最高のキャンプ飯と日本酒でインスタライブ

名古屋の日本酒「名古屋城」

しばらく高台に吹く風を浴びながら、沈んでいく太陽を眺めたり自然の音に耳を傾けてみたりする。そうこうしているうちに、どんどんあたりが暗くなっていった。ランタンを点けて、そろそろ焚き火の準備を始めようと小枝を焚き火台の上に乗せて着火する。ブッシュクラフトナイフで薪を割って、細いものから順に焚き火台へと投下。あっという間に、パチパチと焚き火らしい姿になった。

夏が近づいて日が長くなったとはいえ、夕暮れから日が沈むまでの時間はあっという間だ。onegearのpandishを焚き火台に乗せて、オリーブオイルと刻んだニンニクを乗せる。香りが移ったところで、下処理をしたエビを投下してバターと塩コショウで味付けする。あっという間にガーリックシュリンプの完成だ。これがまた美味そうである。

ガーリックシュリンプ

そして先日、名古屋観光に行ったときに買った日本酒「名古屋城」を開けて、初ソロキャンで初晩酌にしゃれこむ。ガーリックシュリンプに日本酒が合う。外で自分で作って食べるご飯やお酒がこんなにも美味しいこと。仕事や嫌なことを忘れて、一人で焚き火を眺める時間がこんなにも素晴らしいこと。街の喧騒を離れて、自然の音や匂いに身を任せることがこんなにも気持ち良いこと。あぁ、やっぱり一人って楽だ。でも寂しいんだよな。

日本酒には4つの種類がある?魅力について知ろう最近、日本酒にハマっているという方には、もっと日本酒の魅力を知りたい・美味しく飲みたいと思っている方もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、日本酒の種類やタイプ別の特徴、上手な注文方法などについて紹介していきます。...

初めてのソロキャンということとお酒が入っていることもあって、何となくインスタライブをしてみることにした。地元の友達やSNSのフォロワーさんが何人か来てくれて、寂しさを紛らわすことができた。たくさんコメントしてくれて嬉しかったなぁ。いつもTwitterで仲良くしてくれる人も来た。そのうちに一人に憧れに近い好意を抱いている人がいる。彼女みたいな人を好きになりたいと思いながらも、きっとそういう世界線はこの世に存在しないことを分かっている。俺らは、ただの相互フォローであって、プライベート的に仲良くなることはきっとないんだろう。

缶詰のオイルサーディンにニンニクの余りを入れてスライスチーズを乗せて、焚き火台の上に乗せて加熱する。缶詰を動かそうとしたときにうっかりひっくり返してしまって、イワシ数匹とチーズとオイルがすべてダメになってしまった。一瞬、火が大きく燃え上がってびっくりしたが、何とかリカバリーしてパサパサになったオイルサーディン……いや、サーディンと食べた。それでも、アウトドアマジックなのかそれなりに美味しかった。そのあとは、家にちょっと良い肉が二切れ残っていたので焼いて食べた。720mlの日本酒は、あっという間に半分なくなった。

時折、小さくなる焚き火に薪を足しながら、おもむろにロルバーンに挟んでいたラブレターを取り出す。下書きを合わせると三通。まずは、下書きの分を何のためらいもなく焚き火に投下する。残りの一通を燃やす前に読んでみようかと思ったけど、何となくやめてそのまま燃やした。あっという間に煙になって消えた。自分の恋は、これで終わったんだと言い聞かせる。始まっていたのかも分からないけど。

スマホのバッテリーが切れそうだったので、22時頃にインスタライブを終了して寝床の準備をする。このときの俺は、軽い睡眠障害になっていて夜眠れない日が続いていた。案の定、この日もなかなか寝付くことができず、ウシガエルの鳴き声を聴きながら夜を明かした。夜通し鳴き続けるウシガエルたちは、一体何の話をしていたんだろう。一人の俺が寂しくないように語りかけてくれていたのかい。ごめん、普通にうるさかったよ。ごめんね。

あっという間の初ソロキャンプは大成功で終幕

結露でキラキラ光る芝生

翌日、早朝5時頃にテントを出てトイレをして顔を洗う。チェアに座って、少しずつ明るくなるのを待つ。コーヒーを淹れて、去年の誕生日にもらった燕三条キッチン研究所のホットサンドメーカーでウインナーピザサンドを作って食べた。めちゃくちゃ良い感じに焼けて、実際めちゃくちゃ美味しかった。良い朝だ。それからまたしばらくゆっくりして、少しずつ後片付けを進めていく。

燕三条キッチン研究所のホットサンドメーカー

深夜に降った雨と早朝の結露でテントやタープが濡れていたが、日が昇り始めると気温も上がりあっという間に乾いた。テントやタープの後片付けは、何となく得意だから好き。収納袋に綺麗に片付けられる。ただ、一つ問題だったのは高台サイトから炊事場まで階段を上り下りしなければならず、それがかなりハードたった点だ。おかげで翌日筋肉痛になった。まぁ、良い運動になったから良しとしよう。

10時頃にチェックアウトをして、ステレオで音楽を流して歌いながら家路に着く。山道から少しずつ見覚えのある風景に変わっていくと少しだけ安心する。何だかちょっとだけ成長できたような気がして、有意義なソロキャンプだったと思う。また、涼しくなり始めたら行こう。